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EMSトレーニング関連コラム

EMSはそもそもリハビリのために開発された医療器具

近年、ダイエット目的の利用やエステサロンなどで大活躍のems。もともとは一般の方のダイエット用に開発されたものではなく、計算された電流を流し筋肉に刺激を与えるという特性をもって医療の現場でリハビリ用として開発されたものです。整骨院でピリピリとするような電気治療器で治療されたことはありませんか?あれもemsなのでしょうか。リハビリの現場ではどのような効果を期待されて使われているのでしょうか?

 

医療用emsとは

リハビリをはじめとする治療を目的としたemsは一般的に販売されているものとは違う医療用に特化したものです。一般的に販売されているものとの大きな違いは、医療用は3方向に電流による刺激を与えることです。

これによって筋肉の深い部分にまでアプローチすることができます。医療従事者など専門職の方が操作することが前提として製造されているので、一般的に販売されている家庭用機器とは値段もケタ違いとなっています。

期待される効果としては、電気による刺激で血管が拡張するため血行が良くなることにより代謝が上がること、筋肉を収縮させられるため病因により動かせない部位の筋肉の劣化を防ぐことができること、コラーゲンの合成促進などが挙げられます。スポーツ医療分野、高齢者向けリハビリなどで広く使われるのはこれらの効果があるからです。

 

低周波治療器と医療用emsの違い

整骨院で「電気治療をしましょう」と吸盤のようなものをつけられピリピリと電流を流してもらう治療をご存知でしょうか?同じ電流を流す仕組みではありますがあれはemsではありません。低周波治療器といいます。電気を使って筋肉に刺激を与えることはどちらも同じなので、血行を良くするという効能はどちらにもあります。

整骨院において受ける低周波治療は主にコリなどによる痛みを止めることにあります。痛みを止めるために知覚神経に電流を流し、痛みの流れを遮断します。

これに対しemsは筋肉を動かすことが目的なので知覚神経ではなく運動神経に向かって電流を流し、筋肉を収縮させます。この筋肉の収縮がいわゆる「運動」であり、低周波治療ではこの「運動」が起きません。これらが低周波治療器と医療用emsの大きな違いです。

 

医療用と家庭用の違い

医療用、家庭用ems、そのどちらもに言えることは「周波数が大事」であることです。電気治療器における周波数は、低周波治療器に代表される低周波(1~1000Hz)、市販されているような家庭用ems機器に使われている中周波(1000~2000Hz)、医療用emsやトレーニングジムなどで使われる高周波(3000~50000Hz)、そして2種類以上の周波を同時に流すことでより大きな力を起こさせる干渉波、の4つに分かれます。

医療用に使われているものがしばしば高額になるのは周波数が高くなるほど出力も大きくなるため稼働させるのに大きな電力を必要とすることからです。家庭用機器のようなボタン式や充電式サイズでは出力が足りず、医療用に比べると周波数が低い設定になっています。

 

まとめ

10数年前に通販番組か何度となく放送されていた、腰回りに電子機器のついたベルトを巻いてスイッチを入れたら1日たった10分を継続するだけで次第に腹筋が割れるというような映像は、またたくまに国内で腹筋ブームを引き起こし「楽してできる筋トレ」の先駆けとなりました。

しかし医療の現場ではそれ以前に同じ仕組みのものをリハビリに活用していたこともわかりました。そのように理解したうえで改めて整骨院に通ってみると、そこで使用される機器が低周波治療器なのか、emsなのか、自分の体のどの部分の治療のために用いられているのか見直すことができます。医療用も家庭用も体に触れるものなので仕組みを十分に理解し安全に上手に利用したいものですね。